建て替えよりも前に
先日、リフォームコンパス東京表参道店にO様が奥様お一人でお越しくださいました。
来店相談からのお申込みでしたので、まずは詳しくお話を伺ってみることにしました。
O様のご計画は杉並区のご実家で、昨年親御様が他界され、
相続されたことでお家をどうしていこうか、という方向性でお悩みでした。
もちろんその選択肢には建て替えをして新築することや、売却されることもある中、
思い入れもあるご実家だけに、リフォームも考えたいとのお気持ちでいらっしゃるようでした。
相続にまつわるご相談は比較的多くあります。
またO様のように複数の案が考えられるケースも珍しくないのですが、
不動産屋さんに査定をしてもらえば済む売却案は別として、
建物を残していくことを考えられる場合には、新築よりもリフォームの方から
検討されることがおすすめされます。
というのも、新築の場合は営業マンが担当につき話を進められるため、
建物が古いというだけで、新築を勧められることが圧倒的に多いのですが、
当の営業マンには建築の技術的知識がないことがほとんどなのです。
もちろん新築の良さがあるのは間違いないですが、
今の家がそもそも使えるのか、という客観的評価はしてくれません。
一方でリフォーム会社の担当者は、もちろん会社にもよりますが、
営業と設計を兼ねているケースも多く、建築知識をもった人が対応されることがほとんどです。
(大規模リフォームができる会社、という前提ですが。)
またリフォーム会社は、その後の建物について保証することも視野に入れながら計画を立てるため、
建物の悪いところは悪いと正直に評価することも多くなります。
その点が新築の会社とは大いに違ってくるところです。
選択肢の中にリフォームが含まれる場合には、
そもそも家が大丈夫なのか、補強ができるのか、といった点を確かめた上で、
どこまで希望に沿った形に変えていけるのか、というところを検討することが大切です。
そういう意味では、新築の会社から話を聞くのではなく、
まずは建築技術のしっかりとしたリフォーム会社から相談をしていくことが賢明だと言えるでしょう。
O様にもそういったお話をさせていただき、
その後に3社をご紹介させていただくこととなりました。
ただO様のご実家が混構造という特殊な構造になっていたことなど、
ご希望通りにはいかない部分もあったようで、
その後全ての会社が一旦お断りという形になりました。
ご希望通りに行かなかったところは残念ですが、
しっかりと色々なお話を聞いていただけたのではないかと思います。
ぜひ受け継がれたお家を、良い形で活かしていただけたらと思いました。
O様、ご来店いただきありがとうございました。
Kousuke Kitamura
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